文化財保存活用研究所
The Iustitute for Conservation and Use of Cultural Heritage,Oita
お問い合わせは
☎097-556-7337
〒870-0164 大分県大分市明野西1丁目26-4 パレストステージ明野弐番館405号室
株式会社 文化財保存活用研究所(以下、当社)は、文化財またはそれに関係する事情に対して「保存」「活用」「研究」することを企業のサービス・製品へと変換しています。
人類の遺産である文化財を護り、後世に伝えるために文化財の保存業務をおこなっています。文化財保存のための調査,修理,修復,管理を専門的知識と技術をもっておこないます。
文化財の保存をおこなうためには、周辺環境の把握が必要です。当社では、温度・湿度の測定,含水量の測定,地下水位の測定,日照度の測定,雨量の測定,風向風速の測定,定点カメラにより間欠写真撮影などより多くの情報を収集することで文化財をあらゆる角度から見つめ、より良い保存方法を導き出すための調査をおこなっています。
石造文化財の着生生物、金属文化財に発生する錆や木製文化財に発生する菌類などは文化財の劣化を招く要因です。当社では、その劣化要因から文化財を護るために洗浄処理,基材の強化,撥水処理,施工後のモニタリングおよびメンテナンスなど専門的知識と技術をもっておこないます。
文化財に関する測定・分析業務
蛍光X線分析装置を使用した遺物表面の元素分析や出土鉄製品の保存処理のひとつである脱塩処理の際に脱塩効果を確認するためにおこなわれるイオンクロマトグラフィーを使用したイオン濃度の測定など文化財の保存の際に必要な測定・分析の委託業務をおこないます。
多くの方々に文化財保護の意識を持っていただくために文化財に関する教育・普及活動をおこない、文化財の啓発に努めています。また、文化財保存事業で培ったノウハウを活用し、他分野での事業もおこなっています。
文化財の啓発活動
私たちの身近には様々な文化財が存在しており、そのほとんどがあって当たり前の存在となってきています。当社では、その様な文化財を多くの人々に知っていただくために、文化財の啓発活動やそれを活かした地域振興の提案をおこなっています。
YM樹脂シリーズ(吸水・劣化防止剤)の施工・販売
YM樹脂は表面をコーティングする防水剤や撥水剤とは異なり、基材内部に深く浸透し、耐久性のある厚い吸水防止層や防汚層を形成するため、長期にわたり石材を保護することができる樹脂です。特徴として、水分などの吸い上げ防止や塩類析出,凍結破壊による劣化防止などがあげれます。また、厚い吸水防止層を形成しながらも通気性は保っているため基材内部に湿気が溜まりにくくなっています。そのため天然石,コンクリート,レンガ,木材,漆喰などほとんどの材質に使用できます。
HKシリーズの施工・販売
当社では、HKシリーズという専用洗浄剤を用いてお墓などの石材や木材などに付着するカビや塩類などの着生生物の除去、水垢や油・ヤニなどの汚れ洗浄作業をおこなっています。また、HKシリーズの「HK-エア」は様々な分野で注目されている材料です。この「HK-エア」は成分の酸化チタンと銀が空気や光と反応して、脱臭・抗菌・防カビ・防汚などの効果を発揮します。屋外はもちろんガラスや光量が少ない場所でも使用可能です。
様々な劣化要因により、失われる危険性を持った文化財を後世に伝えていくためには、保存修復技術の向上が必要不可欠です。多くの文化財をより永く護っていくために、より良い調査方法や保存修復技術の開発・研究に取り組んでいます。
赤外線サーモグラフィによる劣化診断
赤外線サーモグラフィによる劣化診断とは、物体から放出される赤外線エネルギーが物性の違いや同じ物性でも剥離や滞水など内部の状態によって変化することを利用し、これを解析して劣化箇所や範囲を特定する手法です。
この診断は対象物(石造物・金属・木材)などに対して非接触で調査をおこない、従来の調査方法では難しかった劣化箇所および範囲を画像化し、その画像は記録保存できるためモニタリングに使用できます。当社では赤外線サーモグラフィを用いた研究を積極的におこなっています。
IPM(総合的有害生物管理)事業
博物館などの文化財施設では、近年の地球環境保護に対する意識の高まりから害虫被害の対策であったガス燻蒸による害虫の一斉駆除が禁止されました。これにより新たな害虫対策として考案されたのが、被害を未然に防止するIntegrated Pest Manegement(総合的有害生物管理)という予防対策です。当社では害虫の生態調査などをおこない、IPMの理念に基づくた害虫対策の研究をおこなっています。
学会での研究発表
当社ではより多くの研究者の方々と情報交換をおこない、文化財の保存修復技術の向上のため、研究学会などの研究発表を積極的におこなっています。